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Yamastro 清水さん(製造業の自動化)

清水さん(製造業の自動化)

 
Startup Studio では、ご専門は問わず大きな課題に挑戦したい方を募集しています。そのため、ご自身の専門やバックグラウンドとは異なる領域に取り組む参加者の方もいらっしゃいます。
その挑戦はどのようなものなのか、参加されて10ヶ月で資金調達が決まった Yamastro の清水さんに、起業の経緯や Studio プログラムの感想について伺いました。清水さんはもともと金融業界で活躍されていましたが、現在は製造業領域での起業を行い、邁進しています。
 
目次
 

言いたいことを最初にどうぞ

FoundX への応募を迷っている人がいるなら伝えたいのは 2 つで、「迷っている時間がもったいない」「大きいことをやれ」ということです。
人生のどこかで起業するつもりなら、今が一番若いわけですし、とにかくやってみたほうがいい。僕自身、このプログラムのウェブサイトの卒業生インタビューをたくさん見てきましたが、今伝えたいのは「つべこべ言わず入れ!」ということだけです(笑)。
ここには最高のメンターがいるし、お尻を叩いて一緒にやってくれる仲間もいます。東大卒という自分のリソースも含めて、使えるものは全部使わない手はない。これ以上の環境はないんじゃないかと思います。
あと、「大きいことをやったほうがいい」と言いたいですね。小さいアイデアで動くより、大きいアイデアの方が結果的に速く進むというのは、言葉じゃ伝わらないと思いますが、経験したことでよく分かりました。大きなアイデアは人を引きつけて、協力してくれる人を増やしてくれます。小さなアイデアでも資金調達はできたと思いますが、少なくともこのスピード感では絶対できなかったと思います。

現在考えている事業内容を教えてください

金属部品の製造プロセスを変革する事業です。
今の製造現場は熟練工の技術に依存していて、人が介在するがゆえに不要な時間がかかってしまっています。それを自動化していこうというビジネスです。
イメージしているのは、米国の「 Hadrian 」のようなモデルです。

起業の経緯を教えてください

もともと外資系の投資銀行で働いていたんですが、当時から「全然幸せじゃないな」という感覚が明確にありました。昔からアスリートや起業家のように、怪我をしたら終わり、ビジネスが失敗したら終わりという「特別なリスク」を背負って何かを成し遂げる人たちに憧れやインスピレーションを受けていたんです。
自分もそうなりたいと思いつつ、なかなか一歩が踏み出せずにいました。そんな時、知人に「東大出てるなら FoundX に入れば?」と背中を押されて参加したのがきっかけです。
最初はアイデアも何もない状態だったんですが、メンターの馬田さんから「これいいんじゃない?」と、米国の「 Hadrian 」などの企業を教えてもらいました。僕は純粋な IT・ソフトウェア領域よりも、実際にモノを作るといった「ソフトウェアに収まらないもの」に興味があったので、工場の写真を見た瞬間に心に刺さったんです。それで「日本版 Hadrian 」をやろうと決めました。

Studio Program に参加した感想を教えてください

3 月から始めて約 10 ヶ月でしたが、本当にあっという間でしたね。最初のアイデアもない状況から、この短期間で資金調達までいけるとも思っていませんでした。
正直、最初はプログラム自体にはそこまで期待してなかったですけど、期待の 100 倍以上の結果が得られたと思います。
それに振り返ってみると、僕は「乗っかっただけ」なんですよ(笑)。馬田さんをはじめとするメンターや、工場見学で教えてくれた人たちが導いてくれた道筋を、右往左往しながら進んできただけ。でも、的確なアドバイスをしてくれる人に対して、自分も的確な行動で返したい、がっかりさせたくないという思いで、言われたことを愚直に実行してきました。

最初に躓いた点と乗り越えた方法を教えてください

実は途中、少し弱気になって「小さい方」に行こうとした時期があったんです
とある領域のスタートアップの人たちと話す中で、「ソフトウェアだけで十分なんじゃないか」という気になってしまって。5 月から 7 月くらいの 3 ヶ月間は、部品製造業者が効率的に作れるための SaaS を作ろうとしていました。
でも、そのアイデアを VC にぶつけたら、「それもいいけど、最初に言ってた日本版 Hadrian の方が面白くない?」と言われてしまって(笑)。やっぱり大きい VC は大きいアイデアに関心を持つんですよね。投資家って僕らよりもトレンドに敏感ですし、彼らの投資仮説と自分のビッグアイデアがガチッとはまった時は、想像の 10 倍ぐらい物事が速く進むんです。
お盆明けに馬田さんとの面談で「やっぱり戻ります」と伝えて、SaaS 案を全部捨てて元の大きな構想に戻ることを決めました。そこからは早かったですね。
「大きな山」を登ろうと決めれば、足元の小さな虫なんて気にならなくなる。視座を高く戻せたのが乗り越えたポイントでした。

Studio Program で得られた支援でよかったことを教えてください

馬田さんとの出会いが一番大きかったですね。
自分が右往左往している時でも、週に必ず1度の会議を持ってもらって、大きな山へ至る道筋に軌道修正してくれました。何より、「 Hadrian 」などの選択肢を与えてくれたこと、そして「垂直統合」や「フルスタック」といった思考の軸、調べるための検索ワードを与えてくれたことが大きかったです。
そういう軸がないと、ずっと情報の海で迷い続けてしまう。その着想のヒントをくれるメンターがいる環境は本当に恵まれていると思います。
あと、4 月頃に作った簡易的な Web サイトを見て、大きな VC の方から連絡をいただけたのも大きかったです。LinkedIn なども見て「本気度がある」と感じてくれたみたいで。
僕自身は製造業の経験もないし、ソフト開発もできません。でも、経験がないことは言い訳にならない。分からないなら現場の人に聞けばいいし、とにかく行動して片っ端から連絡を取る。そうやって動いているうちに、1年弱でここまで来ることができました。自分ひとりでは絶対に無理でしたね。

今後の展望を教えてください

まずは部品供給の体制を整えたいと思っています。そして実際に工場を建てていきたいですね。ゆくゆくは「次世代型の製造基盤」を作ることが目標です。