ARAV

ARAV 白久レイエス樹様 (Founders Program)

February 7, 2021

現在の事業について簡単に教えてください

ARAV株式会社は建設機械に後付けで遠隔操作機能もしくは自動運転機能を付与する商品を販売しています。
事業の背景として建設業界の3つの課題があります。1点目は高齢化で、高齢者の作業員が多いこと。2点目は危険な現場が多くて年間約300名の方が亡くなっていること。3点目は生産性が90年代から横ばいとなっていることです。
一方で市場規模は60兆円と大きく、解決する社会的意義の大きい課題となっています。ARAVの事業はこれら課題の解決に貢献するものだと考えています。

あなたの起業の道のりはどのようなものでしたか?

私はいままで3回起業をしていますが、その中でもARAVにフォーカスしてお話しすると、2つ目のベンチャーを行っているときに、まったく知らない人からTwitterで「ぜひ建設業界を手伝ってほしい」という連絡があり、そこから建設業界に目を向けてこの会社をつくることになりました。
3回も起業をしているため会社のオペレーションに関しては淡々と行うことができるので、却って事業に集中して取り組んでいます。お客さんと話しているときに一番緊張感をもって取り組んでいます。

FoundXで起業することの長所と短所は何ですか?

私はインキュベーション施設に2つの期待を持っています。
1つ目は、最新の情報を入手すること。資金調達の状況や助成金、最先端のビジネスモデルなどに関する情報は、コミュニティに所属しないと入手することが難しくなります。
2つ目は、起業家とゆっくり話す機会をもつことです。起業して時間が経ってくると、同じ起業家とゆっくり話す時間がなくなります。起業の初期の段階で、分野問わずたくさんの起業家とふれあう場所を探していました。
FoundXでは120%満足のいく結果を得られました。
1点目の最新の情報を得ることに関しては、馬田さんをはじめとした方々にニュース記事を紹介いただいたり、講師の方を呼んでくださったり、いま起こっている情報を得ることができました。東大IPCもFoundXのOBの方に薦められて初めて知り、応募しました。
2点目の起業家とのふれあい関しても、週に2回以上必ず起業家のみなさんとお話をする機会がありますので、非常に刺激を受けました。
短所に関して、強いて言うならば、インキュベーション施設の中には分野特化型がありますがFoundXはそうではありません。人によっては分野がごちゃまぜになっていることが気になるかもしれません。

日本では雇用の安定性が非常に高く評価されているように思います。フルタイムの仕事を辞めて起業家になるというのは、大きなリスクと捉えられていたのでしょうか?

普通の会社員をやるときを前提として、普通の会社員をしている場合と生涯賃金が変わらないのであればどんな働き方でもよいかと思っています。わたしの場合は、独立しても変わらないかと思ったので独立しました。

初期にあった困難はどのようなものでしたか、またそれをどのように克服しましたか?

私の場合は、ソロファウンダーであることです。
最初の3ヶ月くらいはよかったんですが、4ヶ月目くらいから仕事をまわすことがひとりじゃ厳しくなりました。ほかのメンバーに伝えようとしても、分野が違ったり、コロナの影響でリモートワークになっていたりするので、仕事を文書化しないと伝えられない。でも自分で文書化する時間も取ることも難しく、自分がやった方が早く、自分でやってしまうということが積み重なってしまっています。これはまだ克服できておらず、克服しようとしているところです。
一方で、このピンチをチャンスに活かせたらとも思っています。ある業務委託のメンバーに、コロナがあって時間ができたのでARAVの事業を手伝っていると言われました。それをきっかけにして、コロナがなかったらARAVを手伝ってもらえなかったかもしれず、逆に恵まれている可能性もあると考えるようになりました。
リモートワークを行う以上、文書化をしないといけないので手間はかかりますが、文書化してマニュアルをつくれば作業の属人化を免れることができます。ナレッジ共有ツールやタスク管理ツールを導入し、文書化をすすめようとしています。

FoundX についてのコメントをお願いします

素晴らしいプログラムなので、末永く続いていってほしいです。本当に良いスタッフ、素晴らしい応募者がいるので、ぜひ長く続いてほしいです。

ARAV について

ARAV は、FoundX の Founders Program に 2020 年 4 月から 2020 年 12 月まで在籍しました。
ARAV に関する情報はオフィシャルウェブサイトをご覧ください。