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SOIK 古田 国之様 (Pre-Founders Program の卒業後)

June 13, 2021
SOIK はアフリカ・コンゴ民主共和国でサービスを展開されている医療系スタートアップです。 今回のインタビューでは、FoundX 卒業後の近況や FoundX での経験の活かされ方などお伺いできればと思います。よろしくお願いします。
古田: じゃんじゃん聞いてください。

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まずは事業について教えてください

― FoundX のプログラム参加中は、コンゴにて低価格な訪問医療・緊急医療サービスを提供するためのデジタルヘルスケアプラットフォームの構築に取り組まれていました。 そのあと現在に至るまででに事業内容や提供プロダクトなどに大きな変化はありましたか?
古田: プログラム参加中は、誰もが救急車を必要な時に利用できるサービスに取り組んでいましたが、Key Result がなかなか達成できず、現地の規制などもあって行き詰ってしまいました。救急車が一台一千万円ほどするのですが、そういった初期投資の負担とそこからくる失敗しづらさもありました。 一方で、プログラム中から同時並行で走らせていた産科検診のデジタル化の事業が波に乗ってきまして、いまはほぼそちらに事業を移行しています。
― SOIK の Web サイトでも、母子保健に関するトピックが増えていますね。
古田: そうですね。いまは母子の健康管理を目的としたスマホアプリの開発をずっとやっています。 パートナーの日本人の産婦人科医の先生がシエラレオネに駐在しており、クリニックの臨床で使ってもらいながらどんどんフィードバックをもらって改善しています。 7月には研修期間も含めて2か月ほど現地の人たちに使ってもらう予定です。来年の3月までにその PoC を3回まわすことが決まっています。
― ちなみに古田さんご自身は、いまは現地にいらっしゃるんですか?
古田: 6月までは日本にいて、7月からは拠点をコンゴに移す予定です。
― そうなんですね。新天地での挑戦もまた教えてください。

卒業後、チームに変化はありましたか?

― FoundX ではチームメンバーは4名以下という参加条件があります。卒業後にメンバーの増減はありましたか?
古田: 従業員は増えていないのですが、日本人の産婦人科の先生と助産師、委託開発でITソフトウェアエンジニアなどのパートナーが参加してくれています。 あとはボランティアインターンのような方を探していて、フランス語の翻訳や、仮説検証のアンケート調査をできるひとがいたらお願いしたいなと考えています。 あまりバーンレートは増やさず、必要な時だけ緩やかに体制を広げながら進めています。

卒業後に、ビジネスや起業家として自分が成長したと感じる点を教えてください。

古田: 結構あると思います。 FoundX でやっていた OKR の設定と週ごとの振り返りは継続しています。あと、馬田さんの最近の社会実装の本「未来を実装する」をけっこう読み込んでいて、本で紹介されている枠組みをかなり取り入れて事業を組み立てています。
FoundX に参加して、マインドセットの変化もありました。 ユーザーにヒアリングをしたりPoC を進めたりして、想定していた仮説がどんどん崩れていくのがすごく快感に思えます。 普通はそう感じないと思いますが、スタートアップならそれが当たり前だということを FoundX で体感していたのでポジティブに前進していると思えましたね。 FoundX 参加前の自分の考え方はけっこう違っていてネガティブに捉えていた気がするので、打たれ強くなったのは良かったなと思います。

卒業してからわかったFoundXの良いところはありますか。

古田: リズム作りをしてもらえたことですかね。プロダクトを PMF に持っていくために、まずどんなステップがあって、いま自分たちはどのあたりにいて、次は何をしなきゃいけないのかという点がクリアに整理されてたので、そういうレベルであまり迷わなくてよくなりました。
― 卒業した今でも迷わないのでしょうか?
古田: そうですね、いまでもその辺はそれほど迷ってないですね。FoundXにいるときは週一の定例会で他のチームの OKR やその進捗を聞く機会があって、OKR の設定の仕方や仮説検証の進め方が参考になりました。
本を読んで実践するだけでは、温度感やレベル感まで理解するのは難しいです。 一度でいいので、実際にいろんな事例、FoundX でいうなら同じフェーズにいる他のスタートアップの色んな指標を隣で見て、こういう時はこういう自己評価をして目標を達成していけばよいというのが身につけば、卒業してからも応用できます。 たとえば、本で紹介されているフレームワークをどの程度の粒度で使えばよいのかは、FoundX の他のメンバーと一緒にやることでよりわかってくる感覚がありました。
FoundX Review からランダムで送られてくる記事はいまでもよい復習になっています。 ファイナンスの考え方などいろんなイシューで悩んでる時にちょうど良い記事が届くと、そういえばこんなやり方があったな、と振り返れて役に立っています。 主体的に調べる課題と、困っていても自分から調べられずにいる課題があると思いますが、後者についてちょうど記事が流れてきてすごくよかったということが多々あります。頭の中の引き出しにしまわれて忘れてしまっていたことを思い出させてくれますね。

卒業後に FoundX でのご経験やネットワークが役立ったシーンはありましたか?

― FoundXが提供するのは、資金ではなく起業家コミュニティやサポーターネットワークです。こういったものは、卒業後も役に立っていますでしょうか。
古田: いまはわたしもサポーターとして FoundX に参加しています。サポーターになってから、Fellows や Founders に相談されて自分の経験を共有する機会がありました。
また、わたし自身が他のサポーターの方に保険事業関連で相談させていただきました。 偶然ですがその方がご自身の事業で悩まれていたトピックを自分の友人が専門としていたので、今度はわたしがその方に友人を紹介してあげました。結果的にお互いにサポートしあえました。まさしく Give and Take ですね。
  • * ― コミュニティで起業家を支えるという FoundX の強みが伝わるようなエピソードですね。**

それでは最後に、これから起業や FoundX への参加を検討されてる方にメッセージをお願いします!

古田: FoundXは起業家のステージに合わせて複数のプログラムがあって、私はアイデアしかないタイミングから参加させてもらいました。同じプログラムの仲間と一緒に仮設検証を繰り返すことで、ゆっくりでも着実に起業とプロダクト開発のプロセスを進めることができました。まだ自分のアイデアやプロダクトに自信がない方でも、一度FoundXのプログラムに飛び込んでみると、どんどん視界が開けてくるかもしれません。ぜひ、ご応募を検討してみてください!

SOIK について

SOIK は、FoundX の Pre-Founders Program に 2020 年 3 月から 2020 年 9 月まで在籍しました。
SOIK に関する情報はオフィシャルウェブサイトをご覧ください。